東北、2015年、春。 ⑧ 噂
すてきな場所を多く訪れた一方で、
ある復興事業に関してはこんな噂も耳にしました。
「儲かってるんでしょ、あの事業」
「全国の皆様の善意で成り立っているのに。
こうやって、遠くから来て下さる方もいる。
なのに、私利私欲に走るのはいけないと思う」
「自分の土地を購入したり、一部の人だけが外車に乗ってるんですよ。
儲けてるのは、上にいる一部のひとだけ。
2~3人。
ケチケチしないで、みんなで分け与えたらいいのに」
私自身、かなり「なけなし」の資金での旅行で、
本当に小額の支援しかできず申し訳がなかったのですが、
某所で、購入したもののおつりを(おそらく)わざと渡し損ねられました。
悲しかったです。
お金が、きっと、ひとをだめにするんだなあ。
必要以上に、一気に儲かってしまったんだと思う。
…でも、そんな方はひとにぎりだと思いたいです。
出会った方の多くはあたたかく、
一期一会だというのに
おみやげをくださる方もいらっしゃって、びっくりしたほどです。
きっと、震災の傷がそうしてしまったのかな、
そう、思いたいです。