mellow yellow sky

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弱いつながり

「環境を変え、考えること、思いつくこと、欲望することそのものが変わる可能性に賭けること」。
山梨へと向かう中央線の列車内でこの言葉に出会ったとき、電流が走ったのを覚えています。


東浩紀さんの「弱いつながり-検索ワードを探す旅」の言葉です。

 

 


まだ見ぬ場所への憧れ、そして「未知を既知にする」ことへの希望/ないしは、失望。


いずれにせよ、
「求めよ、さらば与えられん」と言われるように、
「行動しない」ことで見えることよりも、
「行動して」見えるものの方を、大方の人は好むように思います。


旅行、とは、一挙手一投足で旅人の運命の変わる、まさにそのことです。


そして、人生というものもまさに「旅」ではあるのですが、
・ロングスパンである以上、結果が見えにくい
・「自意識」があるがゆえに、自身の旅の結果が見えづらい
・生きている時間だけ、制限がない
ことに難点があるように思います。


しかし、旅行となると制限があります。
まず、日数が決められています。
そして、金銭的・時間的事項から、訪れる場所も決められてくるかと思います。
細かく言えば、食べるもの、お土産等々…際限がありませんが、


その中で、自分が、何を選択するのか。
選択したことで見えてくるものは、人生で得るものよりも明らかに、くっきりとみえてくることかと思います。


それが、たとえ短い出会いだとしても。


瀬戸内海の島の、銭湯のおばちゃんであっても、
東北のBRT(大船渡線気仙沼線の鉄道代替バス)の運転士さんであったとしても、
見知らぬ街の横断歩道を行く、小さな子供の笑顔のほころびであったとしても。


「出会う、知る」は、新たな自分への、ひとつの糧となります。
その弱いつながりが、人生の指標になることも、
もちろん、あるのです。


そして、それを得るために、
また、私は旅をしようと思います。


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今回の展示も、ひとつの「旅」です。
はじめましての人と、どれだけ会えるか。
既知の人で、私が作品をつくっていることを知らない人が、
どんなふうに見てくれるのだろうか。

未知の私と、出会う旅。
すこしの不安と、
そして、希望を胸に。

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