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東北、2015年、春。⑥ はつゆめの小瓶

あらためて。
京都・マヤルカ古書店での私とYuko Gotoとの二人展で
私の側の参加型インスタレーション作品として持ち込んだものが
「はつゆめの小瓶」でした。

 

2014年に名古屋・Gallery+Cafe CHIMERA(閉店されてしまいましたが…)にて初めて行ったものでしたが、

東北、被災地を訪れて、
典型的な日本人の宗教観(クリスマスもお正月も祝う浄土真宗)で育った私が、
「希望」ってなんだろう?
と思ったことをきっかけに、

「希望」というものをあらためて考え直してみる、
というテーマのもと、つくったものです。


名古屋での「希望」のイメージは、「願望」としての希望を想い浮かべた方が多かったようです。
京都での「希望」のイメージは、「願望」は勿論、
「理想の、あるべき世界として」「誰かのしあわせを願うものとして」考えた方が多かったようです。
(私が、前回展示の風景や東北の写真をおいたからかもしれません…)


今回は、最年少・1歳の女の子のかわいい希望も入っていました。
ご両親の希望、の描いた「希望」。

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まだお話しのできない、彼女が鉛筆をもって書いてくれました。

 

かわいい希望も含め、全部で26個。
これを、東北の海に、溶かします。

(一部はドイツへ。Gotoに溶かしてもらいました)

 

場所は、ひきつづき、陸前小野。

本当は陸前高田・奇跡の一本松付近にと思っておりましたが、
工事中につき、松はおろか海岸にも近づくことができない状態。
そのため、前回2014年と同じ、陸前小野⇄野蒜間へ。


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春のはじまり、といった強い日差しの光が、川面を照り返している。
この川をすこし行けば、海。
陸前高田に、
名古屋に、
全世界に、
海は、繋がっている。


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希望は、一瞬のうちに、水面に溶けていきました。


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夢の中のような、なにかのはじまる前のような。
すこしあたたかくて、ワクワクするような。
ふしぎな気持ちでした。


東北。
震災で色々なものを、人々は失ったのかもしれない。
けれど、
海、山、木々、大地、
そのすべてが大きくて、やさしい。本当にパワフルで、来るたびに圧倒される。
なぜか、励まされて、帰ってくる。



そして、人の明るさ、笑顔。
乗り越える勇気。
このエネルギーこそが、私たちの生活を照らす、
本物の希望の光のような気もしました。