東北、2015年、春。② たびのもくてき
今回の旅は、基本的に2つのテーマを目標としておりました。
①震災から4年経った「被災地」の現状を見ること
②【はつゆめの小瓶】の希望を流すこと
①
どうしても行っておきたい場所が、陸前高田「奇跡の一本松」でした。
私の住む名古屋市からは陸前高田市への公的支援が行われていたこともあり、
ニュースで目にすることの多いものでもありましたが、
「一本松」にクローズアップされることの多い映像からは、人々の暮らしが伝わりづらく、現在どのようになっているかを自分の目で見ておきたいと思いました。
写真の人の書き方をすれば、「ズーム」ではなく「広角」で見たかった。
②
【はつゆめの小瓶】。
【希望の小瓶】と称して、2014年から私が行っているプロジェクトですが、
水溶性の【希望の紙】に、「希望」を書いて下さいというものです。
紙を水のある場所に溶かすと、希望が世界に「溶ける」という、概念上、不思議な状態になる。
「願い」として希望を書いた人のものは叶うかもしれないし、
「かくあるべきもの」として希望を書いた人のものはささやかな祈りとして、どこかにだれかに届けられるかもしれない。
そんな、無宗教なアミニズムに任せたインスタレーション作品でありました。
詳しくはこちら☟
希望の小瓶 その後 vol.1|ayako nakamura|note
希望の小瓶 その後 vol.2|ayako nakamura|note
これを、2015年1月、京都マヤルカ古書店さんでもさせていただきました。
その際の希望を、東北に流してくるということ。
2014年に「東北に流す!」と行った時には、
【希望の小瓶】は壮大な私のおせっかいから始まりました。
津波で、地震で、希望が流れてしまった土地に、ひとの希望の芽を植えたい。
そう思っていました。
が、いざ流して帰ってきてみると、
「願望」として希望を書いた人の中から、
「希望、叶ったんだけれど」
という方が何人かいらっしゃって、びっくりしました。
おそらく私の「小瓶」のおかげではなく、
皆様の希望が明確であったからなのではないか、とも思うのですが、
なぜか腑に落ちたこともあります。
2014年に訪れた東北の人の笑顔は、名古屋や東京、そして京都などの大都市圏よりも力があった気がしたのです。
(夏だったから、という言い方もできるかもしれませんが…さておき)
そして2015年。
京都で集めた希望は、どうなるのか。
東北の地で、何が待っているのか。
溶かされた希望は、どうなるのか。
すこしの不安と、「希望」を持って。
旅は続きます。